Half-Awakening, Half-Sleeping

日日の雑記と創作物に関する長めの感想の物置

メル・ブルックス『スペースボール』(1987)

【2024/1/7】ザ・シネマで放送されていたものの録画。そもそもジョージ・ルーカス『スター・ウォーズ』自体が好きじゃないのにこういうのを見るわけだけど、まあ……表層系界隈ではメル・ブルックスの評価は高くない、デヴィッド&ジェリー・ザッカーやジェイ…

鳥山明『SAND LAND』(2000)

【2024/1/6】去年の同じ頃、大友克洋『童夢』を購入した全集版で読み、そのあまりの西部劇性のために興奮してひっくり返った記憶がよみがえってきた。ぼくは成人してから罹りだした“連載漫画恐怖症”が年々酷くなっているせいで、長編漫画に手が伸びず(積ん…

三浦しをん『風が強く吹いている』(2008)

【2024/1/5】こういう時節柄に読んでおかないとずっと積んだままになると思って手に取ったのだった。なんというか、それどころじゃなかったのかもしれないが、それを抜きにしても今年の箱根駅伝はあまりちゃんと観れていない(正月2日目から仕事が入って実家…

泥棒さんの話(20230406)

泥棒さんのイメージ。 自分の周りがゴミだらけだったり、雑然とものが詰め込まれたり、箪笥が開きっぱなしな状況に、昔から慣れてしまっている。……ぼくは子供の頃からそういう気質なのだ。逆にせわしなく自分の周りをコーディネートするのが生きがいなぼくの…

なんでもいいから書くことにした(20230224)

最初、題の頭に「毎日」と付け加えようとしたが、それは御免蒙ると思ったのでやめた。それはおそらく不可能だし(毎日それができるような生活環境ではない)、毎日やればなにかの助けになるというようなものでもないし、それなのに「毎日」と付け加えること…

「わからない」としか言わない人間をやめるために記す?(20230223)

○それは「おしまい」の合図なのか。昨今のぼくにはどうも、まともに自分の快と不快さえ区別しそこなっている節がある。ぼくは不快なものを無理して自らの内にとどめているのか。快いものを天邪鬼にも汚らわしく思っているのか。こうした区別を迫られる時、疲…

青山真治『EUREKA ユリイカ』(2000)

☆☆☆☆☆(約7年半ぶり、2回目)。なにぶん217分と長尺の作品で、観返すだけの価値が必要以上にある映画だとは思いつつも長年観返してこなかった。今年3月に青山真治の訃報が飛び込んできた時点でも、手元にソフトを調達しておきながら、自分の移り気などもあり…

まえだくん『ぷにるはかわいいスライム(1)』(2022〜)

☆☆☆☆★(初読)。ポリビニルアルコールとホウ砂と水分の混合物が魂とかわいさを得るために必要だった「余計なもの」とは一体なんなのだろう。それは多分、永遠の謎である……例えば、創作物を絶対確実に面白いものとして書く方法とかと同様に。 ■「余計なもの」…

ジャック・ベッケル『アラブの盗賊』(1954)

☆☆☆☆(初見)。恥ずかしながらジャック・ベッケル初鑑賞。 切返しやアクション繋ぎのかかったショット群の呼吸と、合間に挿まれた持続するワンショットが両方とも粋ですばらしい。前者の例だと、序盤の踊る女奴隷たちとつまんなそうにそれを見ているアンリ・…

バート・ケネディ『戦う幌馬車』(1967)

☆☆☆(初見)。バート・ケネディ監督作ははじめて。酒場のジョン・ウェインとカーク・ダグラスが宿敵ブルース・キャボットの来訪したとたんに乱闘騒ぎを起こして場を有耶無耶にする中盤のくだりとか、フィジカルな罠を張って鋼鉄の幌馬車に挑む終盤の見せ場と…

幾原邦彦『Re:cycle of the PENGUINDRUM 前編 君の列車は生存戦略』(2022)

☆☆☆★(初見)。2011年の『輪るピングドラム』の頃はまだ高校生。せっせとHDDに録画して本放送を見ていた。愚鈍な一物語消費者として、「アニメはこのように現実と接点を持ってもいいんだ」と驚いた思い出。なお、今のところ全話見れている唯一の幾原邦彦作品…

ピエル・パオロ・パゾリーニ『王女メディア』(1969)

☆☆☆☆(初見)。パゾリーニ、そんなに観ていないのだけどひとまずこれが暫定ベストだ。 カットが移る毎に起こっている出来事が唐突に更新されてゆくという、(演者の顔に近いクローズアップとその切り返し、そして遠景を捉えたロングショットという極端に近い…